Interview

新しい価値観を提案し、美しく豊かに働くためのコンテンツを創出する『Business with Attitude』事務局長インタビュー

CCCメディアハウスが刊行するフィガロジャポンは、フランスの雑誌「マダムフィガロ」の日本版として1990年に創刊しました。リスペクトするのは、Art de Vive(暮らしの美学)を大切にするパリジェンヌの生き方と視点。
その価値観をもとに、2021年に生まれた『Business with Attitude』というプロジェクトでは、「こうあるべき」にとらわれない、自分らしい働き方を通して、社会に良いインパクトを与える女性たちを応援するコミュニティを運営しています。
本プロジェクトの事務局長であるCCC メディアハウス 藤本 淑子さんに、本プロジェクトについて、またプロジェクトとの向き合い方や思いについて伺いました。


Business with attitude

フィガロジャポンが大切にする「Art de Vivre“アールドゥヴィーヴル”(暮らしの美学)」という価値観をもとに、美しく豊かに働くためのさまざまなコンテンツを創出するコミュニティ

BWA Pitch Contest 2024、出場者募集中


● プロフィール

藤本 淑子

(株)CCCメディアハウス
フィガロ編集局 フィガロJP編集部

『フィガロジャポン』の公式ウェブサイト『madameFIGARO.jp』 の編集を担当。2022年からは、働く女性たちを応援する『Businesswith Attitude(BWA) 』プロジェクトにも注力し、事務局長としてプロジェクト全般を統括する。


『Business with Attitude (以下BWA) 』はどのようなプロジェクトですか。

『BWA』は、様々な働き方で社会に良いインパクトを与えている女性を支援し、新しい働き方の価値観を提案するプロジェクトです。この取り組みは、本国フランスの『Madame Figaro』に端を発し、『フィガロジャポン』もそのコンセプトを引き継ぐ形で、2021年より開始しました。フランスの『BWA』は主に女性起業家へ焦点を当てていますが、日本版では2022年以降、女性起業家だけではなく多様な働き方を探求する女性をロールモデルとしてフォーカスしながら取り組んでいます。

―BWAの具体的な取り組み内容を教えてください。

主に3つの施策を実施しています。一つ目は、年1回開催する「BWA Award」。自身の美学や個性を大切にしながら社会に良いインパクトを与える次世代のロールモデルとなる女性を表彰しています。 2023年は「新たな選択肢を自ら創り出す女性」がテーマとなり、女優の小林涼子さんをはじめ5名の女性を選出しました。

二つ目は、毎年夏に実施する「BWA Pitch Contest 」。日常の課題を解決し、より良い明日をもたらすビジネスアイデアを募集し、プレゼンしてもらうビジネスコンテストです。女性は身近な問題解決のためにビジネスを立ち上げることが多いと言われますが、たとえばフェムテックのように女性特有の課題に関わる分野は、これまで公に話されてこなかったため、ニーズの伝達が難しく、必要な資金を調達することが容易ではない状況です。これらの問題は、発信する場所がなければ永遠に解決されないままです。課題を解決するために、声を上げ、思いを伝え、仲間を集めて起業することは非常に価値があると私たちは考えています。このような取り組みに光を当て、応援していくことが、我々の使命だと感じています。

三つ目は、毎月開催されるオンラインセミナー 。コロナ禍をきっかけに働き方ががらりと変わったことで、働く人の多くが将来に対して不安や悩みを抱えています。このような方々に向けて、自分らしく働くための様々な選択肢やヒントを提供するセミナーを開催しています。これらのセミナーでは、ウェルビーング、ビジネス、ソーシャルグッドなど幅広いテーマを取り上げ、以前にアワードを受賞した方々やピッチコンテストの出場者など、様々な経験を持つ人々が講師となり、新たな視点やアイデアを提供することを目指しています。

『BWA』を運営する上で感じた、喜びややりがいについて教えてください。

先日、「BWA Pitch Contest」出場者の展示会に足を運びました。彼女はケニアにあるアフリカ最大のスラム街と言われる「キベラスラム」の学校を支援するためのファッションブランド『SHIFT 80』を立ち上げたクリエイティブディレクターです。彼女が参加したピッチコンテストは、コロナ禍でオンライン開催となりましたが、その時のファイナリストをはじめ、BWAに集う人たちが展示会を見にきてくれていました。このようにプロジェクトを通じて人と人がつながっていき、コミュニティが形成されていくことに大きなやりがいを感じています。また、BWAがきっかけで様々なメディアから注目されている起業家たちがいることも、大きな喜びの一つです。

どのような思いを持って『BWA』に携わられていますか。

『フィガロジャポン』は、読者一人ひとりが自分らしいスタイルで暮らしを楽しみ、豊かにするためのヒントを提供しています。この理念を「働く」という側面にも落とし込み、仕事を暮らしの一部と捉えています。仕事が楽しければ、暮らし全体が豊かになるという考えに基づき、女性が自分らしく、自由に働ける社会を目指してBWAプロジェクトを推進しています。

プロジェクトを運営する中で得た気づきはありますか。

コロナ禍が明けてから働き方やコミュニティへの関わり方に大きな変化を感じています。自分の周りのコミュニティをより良いものにしたいという思いや、苦手なことを補い合い、協力しあう新しい働き方への需要が高まっています。BWAは、そんな思いを持つ人たちを応援できるプロジェクトにしていきたいです。メディアも、時代に適応するために変化する必要があると感じています。ブランドを守りつつ新しいニーズに応える方法を模索していきたいと思います。

仕事の中で大事にされていることを教えてください。

自分の考えをしっかりと発信しながら、他者の話も真摯に耳を傾けることです。様々な人と関わりながら、異なる価値観や視点にも興味を持ち、先入観に囚われることなく話を聞くことを大切にしています。

今後の目標はありますか。

BWAで作り上げたコミュニティが社会の中で良い影響を及ぼすようサポートし続けることが、私の直近の目標です。全ての人が自分らしく働ける社会を作るきっかけとなるプロジェクトになるよう尽力していきたいです。

最後に

7月18日(木)に、BWA Pitch Contest 2024を開催予定です。社会をより良く豊かにするビジネスアイデアをもとに起業した、もしくはこれから起業を考えている女性に、ビジネスにかける思いを語ってもらうコンテストです。オンライン配信も予定していますので、ぜひご覧ください。
また、『フィガロジャポン』では、BWAのプロジェクトをはじめとし、伝統を守りつつ、変化が必要な部分は果敢に変えていくというチャレンジを続けています。こちらもご注目いただけますと幸いです。

BWA Pitch Contest 2024

今年も大人の女性が最初の一歩を踏み出すためのビジネスコンテストBWA Pitch Contest 2024 を開催します。2024年7月18日(木)、東京ミッドタウン八重洲内の「POTLUCK YAESU」にて開かれる本選の様子を、全国にライブ配信予定。
より良い未来を創るビジネスは、自分の思いを周りに伝えるところから始まる。
フィガロジャポンBWAは、自分の価値観や美学を大切にする女性たちの起業の物語を応援します。