映画化決定!
第二回大藪春彦新人賞受賞作を含む、長編デビュー作。
身寄りなし。身分証なし。金なし。そんな優良人物をSNSを駆使して探し出すのがマモルの仕事だ。狙うは戸籍。女性を装い言葉巧みに相手の個人情報を引き出して、売買が成立すれば報酬をもらえる。
ある日、マモルは上司から不可解な指示を受ける。タクヤと距離を置け。自分にこの仕事を紹介してくれた先輩に、なにが起きたのか。翌日、タクヤの部屋の掃除を命じられたマモルが見たのは、おびただしい数の血痕だった。もう、タクヤはこの世にいない。悲しみにくれるマモルに一通のメールが届いた。
それは、タクヤからのメッセージだった――。
なぜ彼らは、違法行為に手を染めるのか。そこには、決して他人事ではない現代社会の諸問題が絡んでいた――。
戸籍ビジネスの闇に蠢く半グレを描いた、新時代のクライム群像劇。